交通事故の際によく聞く赤い本って一体何?

交通事故2

交通事故は避けたいことですが、どんなに気をつけていても完全に避けられるというわけではないです。そんな交通事故を起こしてしまった人の体験談の中で、良く聞くキーワードというものがあります。それが赤い本と呼ばれるもので、その由来となっているのは単純に表紙が赤い色をしていることから名づけられています。

実は赤い本というのは交通事故を起こした後に重要な本であるため、これからも継続して運転する人に紹介します。

赤い本は民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準のこと

赤い本というのは通称であり、正式名称は「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」といいます。これは日弁連交通事故相談センター東京支部が発行している本であり、東京地裁の実務に基づき裁判例の傾向を考慮して賠償額の基準などが記載されたもので、実務上広く用いられているものです。

至極当然だが事故を起こしたら賠償する必要がある

なぜ赤い本が必要なのかというと、まず当然のことですが、事故を起こしたら自身の過失だけで済むわけがないという点です。例えば突然、車やバイクが故障し制御不能に陥ったときには、やむを得ず電柱やガードレールにぶつかる方法を取ることがあります。

さらに電柱やガードレールが無い場合には、緊急措置として建物の壁にぶつかって停止することも考えられます。そして最も避けたいことですが、突然の故障による制御不能だけでなく運転手および歩行者の不注意によって人身事故が起こる自体も想定しなくてはならないです。

物損事故だろうと人身事故だろうと、その事故によって生じた損害は事故を起こした本人が必ず支払う義務があります。

赤い本にはこれまでの判例からおおよその金額が記載されている

ただ事故を起こしたら賠償の義務があるといいましたが、ただいくら義務があるといっても事故を起こした本人にとっては多額の請求がいくらになるのか気になるところです。物損事故であれば弁護士が間に立って所有者と示談をして、その上で壊れたものを修理するか完全な破損で治せないのであれば代わりとなるものを購入した後にその費用を事故を起こした本人に請求すれば事足ります。

しかし物損事故はその程度で済んでも、事故が人を巻き込んだ人身事故になるとそういうわけには行かないです。40キロ以上で走る車やバイクにぶつかって擦り傷や打撲程度で終わる場合もありますが、それはあくまで運が良かっただけの話で多くは肉体に大きな傷を負ってしまうことで入院しなければならない事態になることが大半です。

当然ながら負った傷の深さによっては入院日数がかさむので多額の入院費が必要になるだけでなく、傷がある程度癒えても後遺症によって通院しなければならないこともあります。この事故を起こして間もないときには、当事者も弁護士も事故の状況だけでなく、どれだけ入院日数や後遺症があるのか判別は出来ないためにどれだけ費用がかかるのか分からないのです。

分からないからといって何も手を打たないと金額が提示されたときに用意できないので、入院してしまった側に適切な処置が出来ずに大きな迷惑がかかることになります。そこで大事になるのが民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準である赤い本が出番になるのです。

この赤い本は算定基準と書かれているように、過去の民事交通事故訴訟によって生じた判例と賠償額が記載されています。過去の事例から起きた事故のレベルで入院日数と退院した後の接骨院などのセカンドオピニオンを受ける日数がある程度分かります。

その日数を横のラインの入院日数と縦の通院日数を月割で分けていって条件に合致するところが用意するお金ということになります。もちろん怪我の頻度によっては通院が長引く可能性もありますが、事故を起こしたときに赤い本に書かれている判例と賠償金の傾向を知ることができれば、その金額で示談が進むので被害者に対して早急に金額を提供できるため迷惑をかけずに済むというわけです。

赤い本だけでなく青い本というのも存在する

民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準という赤い本が存在するといいましたが、実は交通事故を起こしたときにはもう一つ重要な本が存在します。それが青い本であり、赤い本と同様にこれも表紙が青い表紙で作成されているために名づけられています。

この青い本のことを正式名称で「交通事故損害額算定基準の実務運用と解説」と呼ばれます。赤い本との違いとしては赤い方は日弁連交通事故相談センター東京支部が発行したものですが、この青い本の場合には大本である本部が発行しているのです。

そして内容については、基本的には赤い本の内容と同じですが記載されている支払う額に若干の違いがあります。

赤い本というのは過去の判例を基に作成されているため、その判例で提示された金額で支払われたことを証明した本ということになります。

青い本も額は決められていますが、その書かれている金額にはピンからキリという形で幅を持たされて記載されています。なぜ金額に幅が持たせているのかというと2つの理由があります。事故を起こしたといっても、勿論車やバイクに乗っているほうが賠償責任は重いのですが事故の原因は決して運転手のほうが悪いというわけではない場合があるからです。

そして決められた額を支払うといっても、免許を持つ人は社会人だけでなく収入が少ないアルバイトで生計を立てている大学生が考えられるのと社会人であっても企業経営が下降気味で収入が少ないということも考えられます。

支払う義務に変わりないといっても、その事故の事例や支払う側の経済状況を考えないと請求が滞り結局損をするのは被害を受けた側ということになります。そこで青い本では事故の事例や支払う側の経済状況を考えて、その記載する金額に幅を持たせることで納得して支払えるようにするのが目的になります。

もし事故を起こしてしまったときには赤と青の両方の本を用意すること

もし避けられなかった事態であっても、やはり交通事故を起こしてしまったときには焦らずに警察と救急車を呼ぶのが義務です。事故を起こして時間がたつと、精神不安を抑えるために脳が記憶を変化させてしまうことがあり、そうなると正確な情報を伝えられなくなってしまいます。

もし事故を起こした状況と伝えた情報に違いが発生すると、虚偽報告をしたということで逮捕された後の罰則が重くなってしまいます。そこで焦りがあっても当日に警察を呼ぶことで、記憶はまだ新しい状態なので虚偽報告のリスクを減らすことが出来ます。

そして救急車を呼ぶことで、大きな怪我をしても命が助かるだけでなく後遺症のリスクを軽減できます。次に最寄の弁護士に電話をして、自身が事故を起こして物損および人身事故を起こしてしまったことを伝えて対処法を聞きます。

その際に弁護士が赤い本を入手するように言ってくるので、そこで赤い本を見て相手の入院日数と通院日数で算出された額を見て自身が払えるのであれば示談として赤い本を採用します。しかし事故の状況による軽減や、自身の収入の不安定さがあって赤い本の記載どおりに支払えないのであれば青い本を入手することになります。

青い本には事故の判例や収入によって額に差があり、基本的に入院費と通院費の総額は決まっているのでその幅の記載に合わせられると判断すれば青い本で示談を申し込むという形になります。

適切な金額を得たい交通事故の慰謝料